Shingo Tokihiroのおしゃれ旅情

第十一回
ソウルの空をゆく雲よ


スタッフ塾で。韓国デザイナーjaeyoung,yangと時広のお互いの作品の前で舞踊家と
 6月23日ここソウルにいます。そして雲の流れをひとり、地上3階のテラスからみているのです。ソウル版スタッフ塾の会場はシアターゼロ。美大が近くにあり、ライブハウスが集まっている場所としてソウルでも垢抜けた若者達通りを闊歩しています。今回は韓国のダンサーに日本人スタッフ、日本人ダンサーに韓国人スタッフが組んで舞台を創りあげるレクチャーつきの塾です。こちらに来てから雨の日が続きます。顔つきは私たちと全然変わらないのに言葉と発想が違う。今さらながらに奇妙です。美術、音響、照明のメンバーたちはコミュニケーションがなかなかとれないと苦労をしていたようです。不満、疑問、怒りが蛍のように時空を飛んでいましたから。私ですか?トラブルがなかった訳ではありません。でも、韓国側の衣裳デザイナーも純粋に衣裳を愛していたので、共感する部分が多く在ったのです。芸術を媒介に出会い生きていく人生。その途上で見えてくる人間の素晴らしさと醜さを包み込みながら、一つの時間と一つの舞台を創作していかなければ。国の違いではない。人間性のぶつかり合い。

 巨大な雨の量をその身の内に宿しながら、雲は流れていきます。涙なのか、垢なのか。やがて億万の雨粒となって降りそそいでくるだろう。西の空は暗くつや消しの銀の空をそれでも流れている、ひきちぎられた雲の断片たち。理解できないことばが通りにこだまします。この国のこの町の匂いを今一度、吸い込みながら、自然に微笑みが湧いてくるのです。どこでも変わらない自分の性格に、ここでの楽しく新しい出会いの未来を思って。

ソウル:韓国にて