Shingo Tokihiroのおしゃれ旅情

第四十六回
時の翼とこころの地図に沿って

ご存知 京都駅前の夜景
 三月、慌しい月でした。そして、周囲で生と死がいくつも交差した月でもありました。その度に悲しみ喜びの感情に埋もれることなく、全ての存在に訪れる[死]という運命を感じながら、4月3日のパフォーマンス準備の為に関西から北陸を巡っていきました。まるで、それは打ち合わせという名の巡礼のようでした。携帯の小さな箱に届くさまざまなニュース。こちらから送るいろんなメール。移動しながら、それでも早朝、遥か霧に隠れていた美しい山が時間を追うごとにゆっくりと姿を現すように、[世界]の姿がおぼろげに見えてきます。
スタジオ傍の目黒川の桜
アーティストたちのスタッフたちの心の有り様と感謝。それらが私に力を与えてくれながら、その時を[信じぬく]決意を、何度も確認しました。何故か嬉しくて涙を流すことも多かった月でした。刻々と迫ってくるパフォーマンスの本番の日。でも、それ以外のこともやっていかなければならないことが、山のようにあるのです。それは次の舞台であったり、その次の舞台の段取りであったり。来週本番と言われても実感が湧かず、まだまだ先のことのようにも思える。 体だけはその本番に向けての事務的な処理をしていく。時折、頭も体も動かず、茫然とスタジオから何の変哲もない青空を眺めることもありましたっけ。時の翼は私を連れて、さまざまな人々に、事柄に、事件に合わせながら、悩ませ、喜ばせ、安堵させて20周年のパフォーマンスへの心の準備をさせていきます。私ではない別の存在が心に描いた地図に従ってすこしずつ熱を帯びながら美の神と全ての生命が調和する世界へ捧げる祈りとしての[世界]の扉の前に導いていくのでした。
仏人画家マークエステル氏の絵画奉納の折に時広衣装で舞踊の奉納もする事に。そのリハーサル風景

(早花月 東京)