Shingo Tokihiroのおしゃれ旅情

第七十八回
別れと始まり・・・また、いつか

先回のおしゃれ旅情が77回。あれから3か月。今年は天気に恵まれてアトリエのある中目黒は、目黒川の桜見物で異常な人出。どこのレストラン・食堂も行列ができて、同時に歩道沿いには俄か露店もでての狂想曲。

今は4月11日の夜。雨が降っています。人々はどこかへ消え果て散り始めて桜花たちを、更に優しく散らしていることでしょう。

毎月、何処かへ旅している私。東京へいる間は、色々な舞台の衣装デザインから、企画書、構成案と朝から深夜までパソコンの前で資料を打ち続けています。ちょっと気を紛らわせるために、フェイス・ブックの自分のウォールを更新したりして。


このところ、一番のエネルギーを費やしたのが、新しい作品集「美し男・夕占」。膨大な写真から選び出すことも大変ですが、ページ毎の構成とレイアウトが、まるで底なし沼にはまったように終わらない。どこまでいったら納得できるものになるのか。タイトルにある如く、今回は男性と衣装のコラボの写真と青蓮のこれまでに無かった世界を合わせた内容になっています。

当初は頭の中にあった構成で、簡単に出来ると高をくくっていたらとんでもない状況に。いつの間にか、最初のイメージから次々と変化していくのだけれども、何んというか、より深いメッセージを含んだものになることが、我ながら不思議だった。どうしても、欲しいカットあればその1カットのために、福井や佐渡にまで行って撮ってくるのです。

その作業も終盤にちかづいてきて、ハッと気づいたことがあります。それは、この本は、長い間モデルをしてくれた友人への別れと感謝、同時に新しいモデルになった友人たちへの未来への期待とエールが込められていることを。「さようなら」と「よろしく」が、何度も繰り返しページをめくる私の心に、スーッと1枚皮を脱ぐ感覚が、新鮮な空気が入り込む感覚があります。

作品集を編集し、その結果を眺めながらまざまざと「変わる」事実を教えられました。それを成長と呼ぶ。同じはあり得ない、それは停滞だと。 四月はラジオ、テレビでも番組の新編成の季節。名残惜しく終える番組から、潔く終えるもの。新年度も番組を続けられて感謝を述べるもの。「残念」と「ホッとした安堵」が、交差する季節。

毎年、作品集を出版しているけれども、結局、いつも命がけ・・・にならざるを得ない。出版した瞬間から、この本は私のものでなく、別の存在になるのですから。

「美し男・夕占」の英語題は「Soul in Costume ・Prophecy−Seiren」としました。「衣装を纏う魂・預言―青蓮」と。また、違う私を知ることになるでしょう。どうぞ、期待してください。【美しい本】です。

さっき、雨の中でていって撮った写真を添えて。

(四月 東京)